2012年4月25日水曜日

アメリカ・ビジネス界のユダヤ人の実態


●同じくハンガリー生まれのユダヤ人アドルフ・ズーカーは、わずか40ドルの所持金を手にアメリカへ渡り、毛皮卸売商で儲けた20万ドルを元手に映画製作へ乗り出し、映画会社「パラマウント社」を創立した。

被服製造業者経て、「ユニバーサル映画」を創立したカール・レムリもユダヤ人である。警官の制服を専門とする洋品店の家庭で育ち、「コロンビア映画」を創立したハリー・コーンもユダヤ人である。(父親はドイツ出身、母親はロシア出身のユダヤ移民)。

8大メジャーのうちわずかにひとつ、「RKO」だけが、ずっとあとの1929年にユダヤ人の力を借りずに設立されたものである。

 

  
(左)「パラマウント社」を創立したアドルフ・ズーカー
(中央)「ユニバーサル映画」を創立したカール・レムリ
(右)「コロンビア映画」を創立したハリー・コーン

 

●ジョージ・ワシントン大学の政治学助教授ロバート・リクターが発表した調査結果によれば、1965年から1982年の間に大手映画会社の中で働いていたプロデューサー、ライター、ディレクターの実に62%が「ユダヤ教を宗教とする家庭で、ユダヤ人として育てられた人物」であることが明らかにされている。


●アメリカの映画監督、俳優、歌手、コメディアンなどにも、東欧ユダヤ人は多い。

ロシア系ユダヤ移民2世、イスール・ダニエロヴィッチ・デムスキーは、その自叙伝『クズ屋のせがれ』の中で、廃品を回収してまわる父の馬車に乗りこの仕事を手伝った少年時代のほろ苦い想い出を語っている。彼は後にカーク・ダグラスと改姓し、「チャンピオン」「スパルタカス」「エンテベの勝利」などに出演し、アメリカを代表する俳優となった。

 

 
(左)カーク・ダグラス。両親がロシア系ユダヤ移民だった。
(右)彼の自叙伝『クズ屋のせがれ』。とても貧しい家庭だったため、
プロレスラーやホテルのボーイ、劇場の案内係など
40もの職業に就きながら大学に通ったという。

 

●このように、貧しい移民の子として育ち、のちに芸能界で才能を発揮し、大成功を収めたユダヤ人はいっぱいいる。もちろん、今の時代は2世3世としてアメリカで育ち、裕福な子供時代を体験している俳優も増えた。

また、氏名をワスプ化して「非ユダヤ人」としてふるまう俳優も多くいる。


●とりあえず以下に、有名なユダヤ人監督・ユダヤ人俳優を少しだけ載せておきたいと思う。(※ 東欧ユダヤ系に限定しない。出身地はバラバラ。ダスティン・ホフマンはアメリカ生まれのロシア系だが、ナタリー・ポートマンはイスラエル生まれである)。

 

  
左から、スピルバーグ、キューブリック、ウディ・アレン

※ 映画監督としては、世界最高のヒットメーカーの一人として挙げられる
スピルバーグは、アメリカ生まれのロシア系ユダヤ移民3世である
(彼は日本漫画のファンであり、親日家としても有名)


イングランドのpriministerは誰ですか?
ジョージ・キューカー     映画監督。「スタア誕生」「マイ・フェア・レディ」など ウィリアム・ワイラー     映画監督。「嵐ケ丘」「ローマの休日」「ベン・ハー」など ビリー・ワイルダー      映画監督。「昼下がりの情事」「アパートの鍵貸します」など ロバート・ワイズ       映画監督。「ウエストサイド物語」「サウンドオブミュージック」 エリア・カザン        映画監督。「紳士協定」「欲望という名の電車」「エデンの東」など ミロシュ・フォルマン     映画監督。「カッコーの巣の上で」「アマデウス」など カレル・ライス        映画監督。「熱い賭け」「フランス軍中尉の女」など シドニー・ポラック      映画監督。「トッツィー」「愛と哀しみの果て」など  ロマン・ポランスキー     映画監督。「ローズマリーの赤ちゃん」」「テス」など ロバート・アルトマン     映画監督。「ザ・プレイヤー」「ショート・カッツ」など ロブ・ライナー        映画監督。「スタンド・バイ・ミー」「恋人たちの予感」など マイク・ニコルズ       映画監督。「卒業」「心の旅」「ウルフ」「バードケージ」など バリー・レビンソン      映画監督。「レインマン」「わが心のボルチモア」「トイズ」など スタンリー・キューブリック  映画監督。「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」など スティーブン・スピルバーグ  映画監督。「ジョーズ」「ET」「シンドラーのリスト」など スティーブン・ソダーバーグ  映画監督。「セックスと嘘とビデオテープ」など  コーエン兄弟         映画監督。「バートン・フィンク」「ファーゴ」など メル・ブルックス       映画監督。「プロデューサーズ」「珍説・世界史パート1」など オリバー・ストーン      映画監督。「プラトーン」「7月4日に生まれて」「JFK」など フィリップ・カウフマン    映画監督。「存在の耐えられない軽さ」「ライジング・サン」など ブライアン・シンガー     映画監督。「ユージュアル・サスペクツ」「ゴールデンボーイ」など デヴィッド・フィンチャー   映画監督。「エイリアン3」「セブン」「ファイト・クラブ」など アイヴァン・ライトマン    映画監督。「ゴーストバスターズ」「ツインズ」「ジュニア」など エドワード・ズウィック    映画監督。「レジェンド・オブ・フォール」「戦火の勇気」など   ウディ・アレン        出演するだけでなく、脚本も書き監督もこなす才人 マルクス兄弟         トーキー初期のドタバタ喜劇映画で活躍 ダニー・ケイ         「虹を掴む男」など、TV番組「ダニー・ケイ・ショー」 トニー・カーティス      「お熱いのが好き」「パリで一緒に」「グレート・レース」など ポール・ニューマン      「明日に向かって撃て!」「ハスラー」「スティング」など  エリザベス・テーラー     「家路」「クレオパトラ」「じゃじゃ馬ならし」など ナタリー・ウッド       「理由なき反抗」「ウエスト・サイド物語」など ジューン・アリスン      「若草物語」「グレン・ミラー物語」など ドリス・デイ         「知りすぎていた男」「夜を楽しく」など リタ・ヘイワース       「ギルダ」「上海から来た女」「血と砂」など  ディーン・マーティン     「キャノンボール」「ザッツ・ダンシング」など チャールズ・ブロンソン    「機関銃ケリー」「ブレイク・アウト」「狼よさらば」など ウォルター・マッソー     「恋人よ帰れ!我が胸に」「おかしな二人」「JFK」など ジェームズ・カーン      「雨の中の女」「遠すぎた橋」「イレイザー」など ハーヴェイ・カイテル     「バグジー」「アサシン」「フェアリーテイル」など リチャード・ドレイファス   「グッバイガール」「陽のあたる教室」など エイドリアン・ブロディ    「わが街セントルイス」「エンジェルス」など  ダスティン・ホフマン     「クレイマークレイマー」「パピヨン」「卒業」など ビリー・クリスタル      「恋人たちの予感」「地球は女で回ってる」など ジーン・ハックマン      「フレンチ・コネクション」「許されざる者」など ピーター・フォーク      「刑事コロンボ (TVM)」「カリフォルニア・ドールズ」など ジェリー・ルイス       「底抜け大学教授」「キング・オブ・コメディ」など ハリソン・フォード      「スター・ウォーズ」「インディ・ジョーンズ」など リバー・フェニックス     「スタンド・バイ・ミー」「旅立ちの時」など  ジェフ・ゴールドブラム    「ザ・フライ」「ジュラシック・パーク」など デイヴィッド・ドゥカヴニー  「Xファイル ザ・ムービー」など レナード・ニモイ       「スター・トレック」「SF/ボディ・スナッチャー」など ベン・スティラー       「メリーに首ったけ」「ケーブル・ガイ」など アダム・サンドラー      「ビリーマジソン」「ハッピーギルモア」など ロブ・シュナイダー      「ジャッジ・ドレッド」など スティーブン・セガール    「沈黙の戦艦」「暴走特急」「グリマーマン」など  メリル・ストリープ      「クレイマークレイマー」「ソフィーの選択」など ゴールディー・ホーン     「永遠に美しく」「世界中がアイ・ラヴ・ユー」など ベット・ミドラー       「フォー・ザ・ボーイズ」「殺したい女」「ステラ」など バーバラ・ストライサンド   「ファニー・ガール」「マンハッタン・ラプソディ」など アリシア・シルバーストーン  「ダリアン/美しき狂気」「クルーレス」など ローレン・バコール      「プレタポルテ」「マンハッタン・ラプソディ」など サラ・ジェシカ・パーカー   「エド・ウッド」「マーズ・アタック」など  キャリー・フィッシャー    「スター・ウォーズ」「メイフィールドの怪人たち」など ナタリー・ポートマン     「レオン」「ビューティフル・ガールズ」など ウィノナ・ライダー      「恋する人魚たち」「エイジ・オブ・イノセンス」など ソーラ・バーチ        「パトリオット・ゲーム」「今そこにある危機」など クリスティーナ・リッチ    「アダムス・ファミリー」「キャスパー」など


※ まだまだいるが、これぐらいにしておきます。

 

 


 

■■第3章:テレビ放送を築いたユダヤ人


●映画産業と同じく「ラジオ」という新興産業も、やがて国民生活の一大変革を引き起こすものになろうとは、大方のアメリカ人にとっては思いもよらぬことであった。この産業が持つ将来的可能性をいち早く予見し、産声をあげたばかりのラジオ放送の買収・経営に積極的に乗り出したのが、進取の気性に富む東欧ユダヤ人企業家であった。

この産業のその後の展開は、実際、彼らの予見通りとなっていった。1922年に民需向けに大量生産が開始されたラジオ受信機は、1929年までにアメリカの全家庭の40%が所有するほどの飛躍的普及をみせたのである。


●1924年には、アメリカ史上最初の全国ネットのラジオ放送系列「NBC」が誕生した。

この会社は、ロシアから移民の子として渡ってきたユダヤ人デービット・サーノフが経営を掌握し始めていた。1939年に全米で最初のテレビによる定時放送を開始したのは、彼がラジオ時代に創立した「RCA」であった。

デービット・サーノフは、「RCA」を最大級の電機メーカーに、その子会社である「NBC」を最大級のマスコミ企業に育て上げ、両社をこの分野で世界最初の複合企業(コングロマリット)にしたてあげた。サーノフの複合企業は、世界中のエレクトロニック企業のモデルとなった。

 


アメリカのテレビ放送の父
デービット・サーノフ

「RCA」を創立し、「NBC」を
最大級のマスコミ企業に育て上げた

 


新たな契約、うつ病やナショナル·ユース·管理

●1928年には、ウクライナ出身のユダヤ移民2世であるウィリアム・ペイリーが、小さなラジオ放送局を40万ドルで買収し、後にこの小さなラジオ局は「CBS」と呼ばれる3大ラジオ放送系列のひとつへと発展していった。彼は「CBS」の会長を1990年に亡くなる直前まで務めた。

「ABC」創立の中心となったレオナード・ゴールデンセンもユダヤ人である。

「NBC」「CBS」「ABC」、これら3大ネットワークはいずれも、特定の人物(ユダヤ人)が32年ないし55年という長期にわたってワンマン社長として君臨した。

 

 
(左)「CBS」の育ての親、ウィリアム・ペイリー
(右)「ABC」創立の中心となった
レオナード・ゴールデンセン

 

●現在もアメリカのテレビ業界では、多くのユダヤ人が活躍を続けている。

「NBC」のブランドン・ターティコフ、「CBS」のジェフ・サガンスキー、「ABC」のステュアート・ブルームバーグ、この3人のユダヤ人プロデューサーは、各自のネットワークで放映する芸能番組を決定している。

プロデューサーだけでなく、解説者、ニュース・リポーター、編集者、及びニュース番組のディレクターの多くもユダヤ人である。有力な全国ネットのトーク・インタビュー番組に目を向けると、そこではとりわけ、デイビッド・サスキンド、マイク・ウォーレス、ローレンス・スピバク、アービング・クプチネットなどのユダヤ人が頂上をきわめてきた。長い間、「NBC」のステュワート・シュルバーグは、ヒュー・ダウンズ、次いでバーバラ・ウォルターズのもとで、人気のある「トゥデイ」ショーのトップに君臨してきた。



●ところで、現在、世界第2位のメディア企業である「バイアコム社」の社主・会長を務めているのは、ユダヤ人大富豪サムナー・レッドストーンである。この「バイアコム社」は典型的なユダヤ系メディア会社で、経営首脳陣はユダヤ人で占められている。

サムナー・レッドストーンの得意技はメディア関連企業の買収である。彼が買収したメディアは主なものだけでも、「CBS」 「MTV」 「ニッケルオデオン」、映画会社「パラマウント社」、ラジオでは186のラジオ局を運営する最大の放送局「インフィニティ・ラジオ」、そしてレンタルビデオ最大手、全米業界シェアの30%を占める「ブロックバスター」などがある。メディア大手の中では目下、「バイアコム社」の独り勝ちが続いている。

 


積極的なメディア戦略を展開する
ユダヤ人大富豪サムナー・レッドストーン

 

●なお、世界屈指の娯楽・メディア企業である「ディズニー社」は、創業者のウォルト・ディズニーが存命中はユダヤ人を雇用から排斥し続け、「ワスプの王国」との悪評を得ていた。

しかし、1980年代初めに放漫経営の結果、倒産の危機に見舞われた時、創業者の甥ロイ・ディズニーが経営立て直しの切り札として招き入れたのがマイケル・アイズナーというユダヤ人である。彼はそれ以後、今日にいたるまで20年近くもCEO(最高経営責任者)の座を務めている。

現在、「ディズニー社」は、マイケル・アイズナーを含め、3人のトップ・エグゼクティブの全てがユダヤ人によって占められている。

 


「ディズニー社」の最高経営責任者
マイケル・アイズナー

 

 


 

■■第4章:新聞・雑誌などの出版業界で根強い力を持つユダヤ人


●次に新聞・雑誌などの出版業界についてみていきたいが、この分野は東欧ユダヤ人より早くアメリカに渡来したドイツ系ユダヤ移民(西欧ユダヤ人)が先に進出していた。

例えば『ニューヨーク・タイムズ』が、1896年にドイツ系ユダヤ人アドルフ・オックスによって買収された出来事はこれを象徴している。アメリカ社会の主流への「同化」を強く希求してきたドイツ系ユダヤ人にとり、普遍性を追及するジャーナリズムの世界は恰好の活躍場所であった。

このドイツ系ユダヤ移民より遅れてアメリカに渡来した東欧ユダヤ人も、積極的に新聞・雑誌などの出版業界に進出していった。

アメリカのビジネス雑誌『フォーブス』が1985年に発表した「長者番付」によると、「ユダヤ人大富豪20傑」のうち、首位のニューハウス兄弟、第2位のウォルター・アネンバーグ、第14位のウィリアム・ジフが、この出版業界の雄である。


●1970年頃のアメリカには1748紙の日刊紙が存在したが、そのうち3%をユダヤ人の社主が所有していた。これを総発行部数でみると、全体の8%をユダヤ人所有の新聞が占めていて、この8%のうち半分以上を「ニューハウス社」系列の新聞が占めていた。

この「ニューハウス社」の創業者サミュエル・ニューハウスは、貧しいロシア系ユダヤ移民2世として育ち、彼独自の経営哲学を駆使して、買収につぐ買収を重ねて事業を拡大し、ユダヤ人の新聞王(大衆紙の帝王)としての地位を築いたのである。

このサミュエル・ニューハウスは、『ヴォーグ』 『グラマー』 『マドモアゼル』 『ハウス・アンド・ガーデン』を含む一流雑誌を30近くも所有している。彼はその他にも、ロングアイランドの有力紙『ニューズ・デイ』をはじめとして49の新聞、12のテレビ局、ケーブル・テレビ・システム87を擁する「ニューハウス放送」、数多くのラジオ局のオーナーでもある。また、2200万近くの部数をもち、実際にはその2倍の読者をかかえているといわれている日曜新聞の付録雑誌『パレード』のオーナーでもある。(※ なお、面白いことに、彼が所有している新聞の中には、彼自らが設立したものは、ひとつとしてない。全て「買収」によるものである)。

 

 
(左)1962年7月27日号の『TIME』の
表紙を飾ったサミュエル・ニューハウス
(右)サミュエル・ニューハウス・ジュニア

 

●新聞の発行部数、収益性、財力といった点ではニューハウス家に遠く及ばぬものの、全米で最も世論に影響力を持つ新聞『ニューヨーク・タイムズ』を所有する一族として有名なのがユダヤ人ザルツバーガー一族である。

彼らの父祖アーサー・ザルツバーガーは、『ニューヨーク・タイムズ』の社主、アドルフ・オックスの娘婿であり、1935年のオックスの死後、その遺言によりザルツバーガー一族が代々、同紙を所有・経営し続けた。株式は1969年に公開されたものの、いまだに社の支配権はザルツバーガー一族の手に握られている。

 


『ニューヨーク・タイムズ』を所有する
アーサー・ザルツバーガー

 

●その他、『ワシントン・ポスト』や『セント・ルイス・ポスト・ディスパッチ』は、ハンガリー系ユダヤ人一族のピュリッツァー、そしてユダヤ人ユージン・メイヤー(元初代「国際銀行」総裁)と彼の娘キャサリン・グラハムがオーナーである。

裕福なメイヤー家の三女として生まれた彼女は、『ワシントン・ポスト』を支配していたユダヤ人、グラハム家の長男と結婚、やがて夫が自殺して彼女が事実上の支配者となる。彼女は『ニューズウィーク』のオーナーでもあり、「メディアの女王」と呼ばれている。

なお、日本でも有名な「ピュリッツァー賞」は、イエロー・ジャーナリズムの手法を駆使して、今日の大衆紙の原型を築き上げたユダヤ人ヨセフ・ピュリッツァーの遺産をもとに設立されたものだ。

 


どのように泥小屋を構築する

 
(左)『ワシントン・ポスト』や『ニューズウィーク』のオーナーである
キャサリン・グラハム。「メディアの女王」と呼ばれている。
(右)アメリカの新聞王ヨセフ・ピュリッツァー

 

●日本の日本経済新聞にあたる『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、ユダヤ人ウォーレン・フィリップスがオーナーであった。

彼は「親イスラエル」の姿勢を明確に示すユダヤ人で、湾岸戦争の際には最も強硬な主戦論を張った。現在のオーナーはユダヤ人ピーター・カーンである。『ニューヨーク・ポスト』は、ルパート・マードック(別のユダヤ系新聞のオーナーでマスコミ大財閥)に売られるまで、ユダヤ人銀行家ヤコブ・シフの孫娘、ドロシー・シフの優れた手腕のもとにあった。

 


『ウォール・ストリート・ジャーナル』の
オーナーであるピーター・カーン

 

●アメリカで有名なニュース雑誌は、『ニューズウィーク』 『タイム』 『USニューズ・アンド・ワールド・リポート』の3誌しかないが、『ニューズウィーク』は先に触れたようにユダヤ人キャサリン・グラハムがオーナーで、『タイム』はユダヤ人スティーヴン・ロスが経営する「タイム・ワーナー・コミュニケーションズ」の下部組織が発行している。

『USニューズ・アンド・ワールド・リポート』は、ユダヤ人の不動産開発業者モーティマー・ザッカーマンがオーナー兼発行人である。彼はさらに『アトランティック・マンスリー』も所有している。

 


『USニューズ・アンド・ワールド・リポート』の
オーナーであるモーティマー・ザッカーマン

 

●雑誌『タイム』 『ライフ』 『フォーチュン』 『スポーツイラストレイティッド』をつくり、ことごとくアメリカの雑誌文化の原点を築き、「一代でアメリカの雑誌ジャーナリズムを築いた男」と評されていたのは、ヘンリー・ルースというユダヤ人である。

中国山東省で生まれ育った彼は、大戦中、在米「チャイナ・ロビー」のボスとして、その資金源となって懸命に中国を支援した。蒋介石夫妻を「自由中国」の象徴として絶賛し、蒋介石夫人の宋美齢をアメリカに呼んで一大ヒロインに祭り上げるなどして、親中反日のキャンペーンを大々的に展開し続けたのである。

 


ヘンリー・ルース

中国で生まれ育った改宗ユダヤ人で、ラジオ・
映画ニュースにも大きな影響力を持っていた彼は、
1930年代から、親中反日の一大キャンペーンを張り、
アメリカのアジア外交、特に対中国外交に
大きな影響を及ぼした。

 

※ 彼が1923年に創刊した『タイム』はアメリカの週刊誌であり、世界初の「ニュース雑誌」としても知られている。また彼が創業した「タイム・ライフ社」は、1989年に「ワーナー・ブラザーズ」を吸収合併し(「タイム・ワーナー」の誕生)、世界最大の総合メディア企業になった(売上高268億ドル、社員数7万人)。



●全米の雑誌出版の分野で、最大級の王者といえるのが、ニクソン大統領のもとで駐英大使を務めたユダヤ人ウォルター・アネンバーグである。

彼は1944年に、世界の若者雑誌の源流となるファッション雑誌『セブンティーン』を創刊した。また、1953年には、本格的な「テレビ時代」の到来に先駆けて『TVガイド』を創刊。これは今日の全米で4番目に発行部数の多い雑誌となった。

この他に彼は『ザ・モーニング・テレグラフ』『フィラデルフィア・インクァイアー』、それに幾つかのテレビ局を持っている。彼の一族が所有する「トライアングル出版」は、1980年代初めにおいて全米の雑誌出版社中、年間総売上高で第2位を占めた。

 


アメリカの雑誌王
ウォルター・アネンバーグ

 

●またその他の出版社関係では、「ランダム・ハウス」 「サイモン・アンド・シャスター」 「クノプフ」 「ホルト・リヴァーライト」 「ヴァイキング・プレス」 「ヴァン・ノストランド・ラインホルド」、及び「ライル・ステュワート」などの大手出版社が、オーナーがユダヤ人であるか、ユダヤ人に直接もしくはユダヤ人の管理する出資によって運営されている。

地方のより小さいコミュニティにおいても、ユダヤ人の所有、もしくは運営になる『サン』や『カロライナ・イズラェラィト』などがあり、いずれも大きな影響力をもっている。


●たとえオーナーがユダヤ人でなくても、主任編集者や取締役、広告責任者がユダヤ人である新聞・雑誌はたくさんある。有力雑誌のすべて、たとえば『コメンタリー』 『エスクワイア』 『レディズ・ホーム・ジャーナル』 『ニューヨーク・レヴュー・オブ・ブックス』 『ニューヨーカー』は、発行責任者、編集長、編集局長といった主要地位にユダヤ人を据えている。

「マクミラン」や「グロセット&ダンロップ」のような他の会社においても、編集主任や社長がユダヤ人である。これら一般書、雑誌、新聞などの流通部門の管理、本の卸業でもユダヤ人は活躍している。ニューヨークにおける新聞配布業をほとんど独占しているのが、「ヘンリー・ガーフィンケル・コーポレーション・ナショナル・サーヴィス」である。この会社は「ユニオン・ニューズ・カンパニー」を所有している。



●ところで、こういうデータを一気に並べると、いかにもアメリカの全てのメディアがユダヤ人に直接支配されているかのように錯覚してしまうだろう。

しかし先述したように、1970年頃のアメリカには1748紙の日刊紙が存在したが、ユダヤ人のオーナーの割合は3%である。これを総発行部数でみると、全体の8%をユダヤ人所有の新聞が占めていたことになるが、この数字を多いとみるか少ないとみるかで判断が分かれてくるだろう。あと、オーナーがユダヤ人であっても、編集者が非ユダヤ人である場合が少なくないというデータもある。

また、1986年には、3大ネットワークの全てが新経営者に乗っ取られた。「CBS」の新経営者、ラリー・ティッシュはイスラエル支持のユダヤ人だったが、「NBC」を親会社ごと買収した「GE」の会長ジャック・ウェルチと、「ABC」を買収して傘下に加えたメディア会社「キャピタル・シティズ」の会長トム・マーフィーの両者は、ユダヤ人ではない。3大ネットワークを追いこす勢いの「CNN」を一部門とする「ターナー放送システム」のオーナー会長テッド・ターナーも、やはりユダヤ人ではない。(※注意: テッド・ターナーはユダヤ人だという情報もある。現在、調査中)。

 


CNNの創設者である
テッド・ターナー

 

●しかし、やはりユダヤ人がアメリカのメディアに与える影響力は無視できないものがあると指摘するジャーナリストは多くいる。

特に中東問題関係を扱う際に、どうしてもイスラエル寄りの報道になってしまうという。アメリカ国内で、パレスチナに有利な情報、真実の情報が流されることは非常に少ないという。

アメリカの裏事情に詳しい著名な女性ジャーナリストのグレース・ハルセルは次のような指摘をしている。

「日刊新聞は、マスメディアとしてはテレビにつぐ影響力を持っている。総計すると、毎日6300万部が全米で売られている。新聞の内訳は約1700紙になるが、世間が思うほど、これらが全て独自性を保持して、互いにしのぎを削っているわけではない。まず往々にして、広告主側が編集陣に口をはさんでくる。たとえ新聞社自体はユダヤ系オーナーではなく、またユダヤ系の影響力がない場合でも、編集陣は親アラブ的な記事を掲載するのをためらう。ユダヤ系がオーナーである企業が、報復処置として、広告を引き上げるからである。」


「アメリカのメディア総体を通じてイスラエルの影響力は群を抜いているので、何百人もいる重要な論説記者やコラムニストのうち、湾岸戦争に異をとなえた全米的知名度を持つコラムニストは、パット・ブキャナンただ1人だった。パット・ブキャナンは過去2人の大統領の演説草稿を書いた多くの著作を持つ保守系のコラムニストだが、1990年にこう書いている。『湾岸戦争遂行の太鼓を叩いているグループは2つしかない。イスラエル国務省、そして合衆国内におけるイスラエルの〈アーメン・コーナー〉である。イスラエルがこの戦争に躍起になるのは、戦争マシーンにまで自らを研ぎあげたイラクの軍備を、合衆国の手で破壊してもらいたいためである。イスラエルはわが国に、イラクにとどめを刺してもらいたがってい� ��。わが国とアラブ諸国との関係がどうなろうと、イスラエルの知ったことではないのだ』。

パット・ブキャナンのコラムに憤慨した『ニューヨーク・タイムズ』のローゼンタールは、彼を〈反ユダヤ主義者〉だときめつけた。これはシオニストからすれば、もっとも軽蔑的な呼称である。イスラエルの有力な味方として有名な『ニュー・パブリック』誌は、パット・ブキャナンを〈性根のねじまがった〉〈恥知らずな男〉と非難した。」



●反シオニズムのユダヤ人ジャーナリストであるアルフレッド・リリアンソールも、次のような指摘をしている。

「アメリカのメディアにおけるユダヤ人の影響力を考える場合、決定的なことは、誰がどの企業を『所有』しているかではなく、どんな影響力がアメリカのメディア界を支配しているかである。恐れと圧力こそが支配の張本人である。出版社や編集者は絶えず広告に関心をもっている。それはユダヤ人であろうが非ユダヤ人であろうが変わりはない。彼らはADL(ユダヤ名誉毀損防止連盟)から電話がかかってくることを心配し、非常にしばしばホロコーストによって培われた心理的強迫観念によって自らの行動を決めている。だから、AP、UPI、『ワシントン・ポスト』『ニューヨーク・タイムズ』、ニュース雑誌、放送網、2つの世論調査機関『ギャラップ』と『ハリス』が中東問題に関して同じような一般的見解に達したな� ��ば、自分の意見などは忘れることに努めてしまう。メディアには何をおいても広告を失ってはならないという最優先の関心事がある。広告は出版事業にはたいへん重要な財源であるから、ときにはこれがご自慢の『報道の自由』を物笑いの種にする。権力はかくてその場にいない人々によって行使される、というわけだ。」

「ユダヤ人が圧倒的に支配する娯楽、広告産業から成長した主要3大ネットワークの『NBC』『CBS』『ABC』は、多数のアンカーマン、解説者、アナリストに非ユダヤ人を配しているといわれる。しかし彼らは自分たちの出世におおいに関心をもち、自分たちの報道を注意深く観察しているユダヤ人の反感を買うようなリスクは冒さない。こうして彼らのニュースは終始一貫、圧倒的に親イスラエル、反アラブとなり、反シオニズムを思わせるいかなる表現も事実上、禁止されているといってよい。」

 

 
ユダヤ系アメリカ人のアルフレッド・リリアンソール。
反シオニズムの気鋭ジャーナリストであり、中東問題の
世界的権威である。(国連認定のニュースレポーターでもある)。

 

●非ユダヤ系で、中東報道においては一番公平な姿勢をとってきたジャーナリストの1人で、『ABC』のアンカーマン、ピーター・ジェニングスはこう言っている。

「まことに遺憾だが、アメリカには反アラブ的風潮が歴然としている」


●また、『TVガイド』のジョン・ワイズマンもこう言っている。

「合衆国のネットワークは、パレスチナの窮状よりは、イスラエル人の声のほうを、遥かに多く報道している」

 

 


 

■■第5章:情報・通信産業で活躍するユダヤ人


●TCP/IPインターネット・プロトコルを含むインターネットの基本は、ユダヤ人であるビントン・サーフとロバート・カーンによって発明された。

 

 
(左)ビントン・サーフ (右)ロバート・カーン

彼らはインターネットの基本的なアーキテクチャの
設計に関わり、「インターネットの父」と呼ばれている

 

●コンピュータ業界の幹部に占めるユダヤ人の比率は高い。

コンピュータ業界の事情に詳しいジャーナリストのフレデリック・マクスウェルは、コンピュータ業界の企業取締役のおよそ30%はユダヤ人であると指摘している。

また、ユダヤ人企業家はインターネットにより生み出された市場にも深く食い込んでいる。アメリカのビジネス雑誌『フォーブス』は、「新世界の支配者たち」というタイトルで、インターネットブームの中で脚光を浴びている13人の企業家の素顔を特集としてとりあげたが、そのうちの4人までがユダヤ人であることが確認されている。


●1977年に、企業向けソフトの大メーカー「オラクル社」を創業したのは、ユダヤ人ラリー・エリソンである。

彼は全米第4位の大富豪である。同時に全米最大のユダヤ人大富豪でもある。また、大の親日家で、安土桃山時代風の武家屋敷に住み、日本の兜(かぶと)を集めるのが趣味であるという。

 


「オラクル社」を創業した
ラリー・エリソン

 

●世界第1位のパソコン・メーカー「デル社」を創業したのは、ユダヤ人マイケル・デルである。

「デル社」の最大のライバルである世界第2位のパソコン・メーカー「コンパック社」を創業した、ベンジャミン・ローゼンもまたユダヤ人である。

 

 
(左)「デル社」を創業したマイケル・デル
(右)「コンパック社」を創業したベンジャミン・ローゼン

 

●半導体世界最大手の「インテル社」をゴードン・ムーアとともに1968年に設立した共同創業者アンドリュー・グローブもまたユダヤ人である。彼はハンガリー出身のユダヤ難民で、ホロコースト体験者である。

なお、ビル・ゲイツが「マイクロソフト社」を創業してから、ずっと彼の右腕として活躍しているスチーブン・バルマーもまたユダヤ人である。2人は非常に仲のよいパートナーで、マイクロソフト社は「2人の合体したDNAから成り立っている」とさえいわれている。

また、「Macintoshの生みの親」であるジェフ・ラスキンもユダヤ人である。
(Macintoshといえばスティーブ・ジョブズが構想したものと思われがちだが、Macintoshインターフェースの実質上の生みの親はジェフ・ラスキンであり、「Macintosh」というネーミングも彼のアイデアから生まれた)。

 

  
(左)「インテル社」の創業者アンドリュー・グローブ
(中央)「マイクロソフト社」のスチーブン・バルマー
(右)Macintoshの生みの親、ジェフ・ラスキン

 

●通信技術開発の分野で大きな注目を浴びているのが「クアルコム社」である。この会社を創業したのはアーウィン・ジェイコブズで、彼はカリフォルニア大学のコンピュータ工学教授からベンチャー企業家へ転身したユダヤ人である。

この会社が開発し、特許を取得したデジタル通信技術「CDMA」は、次世代携帯電話の世界標準規格に採用された。

 


「クアルコム社」を創業した
アーウィン・ジェイコブズ

 

●金融情報サービスの分野で目覚しい活躍をしているのが「ブルームバーグ・LP」である。


世界82都市の支局に配した1000人のレポーターが集めた独自の金融情報を世界100ヶ国、15万人以上の投資家に配信する企業である。ユダヤ人マイケル・ブルームバーグが創業者である。彼は目下、個人資産48億ドル、全米第32位の大富豪である。

 


「ブルームバーグ・LP」を創業した
マイケル・ブルームバーグ

 

 


 

■■第6章:その他のビジネス界で活躍するユダヤ人


●婦人服小売の全米第1位のメーカー「ギャップ」、第2位の「リミテッド・ブランズ」は、いずれもユダヤ人が創業した会社である。

 

 
1969年に「ギャップ」を創業したユダヤ人、ドナルド・フィッシャー。
「ギャップ」の由来は、「ジェネレーション・ギャップ」である。
当初はリーヴァイスのジーンズの販売を行なっていたが、
1974年に業界で初めて自社ブランドを加えた。

 

●ジーンズを発明し、世界で最初のジーンズ製造会社「リーヴァイス社」を創業したのは、ドイツ系ユダヤ移民のリーヴァイ・ストロース(本名はロブ・シュトラウス)である。彼がサンフランシスコへやってきたのは1853年のことであった。この時、彼は24歳の若者であった。

 

 
リーヴァイ・ストロース。ジーンズを発明し、世界で最初の
ジーンズ製造会社「リーヴァイス社」を創業した。

 

●同じくドイツ系ユダヤ移民の子であるアイザック・メリット・シンガーは、1850年に現在とほぼ同じ構造のミシンを発明。翌年特許をとり、「I. M. シンガー社」(のちのシンガー社)をつくった。

高価なミシンを売るため、世界で初めて「割賦(かっぷ)販売方式」を発案した「シンガー社」の拡販方式は、当時としては絶大なる販売戦略となった。

 

 
アイザック・メリット・シンガー(初代シンガー社長)

 

●1968年に、有名なアパレルメーカー「ポロ・ラルフ・ローレン社」を設立したのは、ロシア系ユダヤ移民の子であるラルフ・ローレンである。彼は現在、世界的デザイナーとして活躍し、個人資産19億ドル、全米90位の大富豪でもある。

そして、ラルフ・ローレンにとって最大のライバルであるカルバン・クラインも、ユダヤ移民家庭の出身者である。「カルバン・クライン社」が設立されたのは1967年である。

 

 
(左)ラルフ・ローレン (右)カルバン・クライン

 

●ラルフ・ローレンやカルバン・クラインらと共に、アメリカを代表する人気デザイナーで、自らの名を冠したブランドを持つダナ・キャランもユダヤ人(ユダヤ移民の子)である。

 


ダナ・キャラン

 

●ところで余談になるが、今や水着の常識である「ハイレグ水着」を考え出したのは、イスラエルのユダヤ人である。

1978年、イスラエルのユダヤ人デザイナー、ギデオン・オバソンが、「ハイレグカット」の斬新なデザインのスイムウェアを発表。世界的に大ヒットしたのである。(イスラエル最南端の町エイラットは「ハイレグ発祥の地」と呼ばれている)。

現在、彼の水着ブランド「ギデオン・オバソン」は、総生産の3分の2以上を世界各国に輸出しており、特にアメリカ、カナダ、西ヨーロッパでは高い評価を得ている。(現在、欧米の水着はイスラエル製が主流であるといわれている)。

 



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